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ノーマライゼーション・教育ネットワーク 会員通信 2022年秋・冬合併号 2022年12月8日発行 【代表】新井 淑則 【事務局】宮城道雄 〔ホームページ〕 URL:http://www.japan-normalization.com/ 連絡先〈 郵便 〉〒344-0041 埼玉県春日部市増富763−1 飯島気付 〈 電話 〉090—5994—5131(宮城) 〈メール〉rsj78162@nifty.com(宮城) 第27回定期総会実施!! 去る10月22日(土)に第27回定期総会が実施されました。今年度も昨年同様、新型コロナの拡大のため3か月遅れで、ともかく実施できました。昨年から課題となっていた、教育ネットの今後の方向性、3つの案を1つにまとめる課題は、事務局の真剣な討議を重ね、中味をしぼって活動を継続することになりました。それを踏まえ2022年度活動方針ができました。以下は総会報告とイベント報告を掲載します。 第27回定期総会報告 飯島 光治 今年度も昨年同様、コロナの状況により予定の3か月遅れとなりました。 2022年10月22日(土)、参加12名(会員7名、学生3名、ガイドヘルパー2名)で、参加ありがとうございました。議長は飯島で始めました。 最初、電話参加の新井代表より、挨拶がありました。その後簡単な自己紹介の後、議事に入りました。議事は第1号議案 2021年度活動報告、2021年度総括、第2号議案 2021年度決算、第3号議案 2022年度活動方針、第4号議案 2022年度予算、第5号議案 新役員 内容は録音により,各議案ごとに、採決することで進めました。第三号議案(活動方針)以外の議案は、承認されました。 第三号議案について、問題点の指摘がありました。この案では今までと変わらない。出来ることと出来ないことをはっきりする。また、事務局も高齢となり、出来ることだけをするので良いのではという意見が出されました。 休憩を取り、事務局4人で検討し、原案を採決せずに修正する案になり、そのことにつ承認になりました。 今後、修正案を検討し、秋、冬合併号の通信に同封します。 総会参加以外の会員の方には、議案書と以上のことを同封して、10月24日に郵送しました。 総会イベント報告 「岡安先生の職場の交通問題を考える」 宮城道雄 総会のイベントとして、岡安先生の職場の交通問題を考えるが行われました。 岡安先生は今年度4月から、古河第三高校から古河第二高校に転勤しました。視覚障害を持つ岡安先生に対する、勤務条件は時間数の軽減や授業のパートナーや授業準備などの事務処理の補助者の配置などの条件整備はなされいわゆる合理的配慮はなされていました。しかし、最寄り駅から学校までバス通勤をする岡安先生にとって、退勤時の学校前の道路を横断しバスに乗車するということが、危険があり問題でした。交通量も少なくはなく、信号機も設置されておらず問題です。学校管理職は当面退勤に際して、同僚や管理職自身で岡安先生をガイドしてバスに乗ることを補助してくれていました。教育ネットは岡安先生と5月1日に直接話し合いを持ちこの現状を把握し、対応策を考えました。 イベントの流れは、最初に古河第二高校前安全の現地調査報告を撮影した動画上映を行いました。次に岡安先生の現状報告、そして教育ネット事務局から取り組みの経過とまとめが報告されました。 年度当初の4月から、退勤時は管理職と同僚がバス乗車を補助してくれていましたが、5時以降で勤務時間外となってしまい何かの事故などが発生した場合色々と問題が残ります。それは大きな課題であり、安全で安心できる方策が出されなければなりません。岡安先生との話し合いで、私たち教育ネットは、現地のガイドヘルパーを依頼し、最寄りの杉戸町と契約を取り退勤時のガイドヘルパーを確保する方法が出されました。ケースワーカーに相談して実現することを対応策として提起しました。岡安先生は早速ケースワーカーに相談したそうですが、なかなか実現しませんでした。また、私たち教育ネットは古河第二高校前の現地調査の必要性を感じ、やっと9月になりそれを実現しました。一車線の国道に学校の壁が迫り歩道の狭い道路で視覚障害者にとってはかなり危険な状況が確認されました。学校前の横断歩道に信号機が無いので、古河警察署に私が古河第二高校前の信号機設置について、電話で確認しました。その結果、信号機設置の要望は本年度もそれ以前も何度か提出されていました。しかし、信号機が設置されると歩道が狭いため通行しにくくなる。ということもあり、茨城県内で年間30件信号機設置が行われるのですがその設置条件に当てはまらないという答えでした。現地の自治会長もその危険を心配して信号機設置の要望に加わっているようでしたが設置は実現しなかったのです。 6月になったとき、管理職から岡安先生に、勤務時間を1時間早めに前にずらす勤務方法が提案されました。朝1時間早めに出勤し、帰りも1時間早めに退勤する。ほかの同僚と異なりますが、帰りのバス乗車まで道路横断を含め同僚の勤務時間内にガイドをやってもらえバスの発車まで確認してもらえるわけです。岡安先生は職員会議や学年会の会議で遅くなる場合のことに関して心配していたようでした。7月になると例年にない猛暑が続き、熱中症になってしまう等もあったため、タクシー通勤で乗り越えるしか無くなってしまったこともあったようでした。しかし、夏休み前に管理職の方から、夏休みを契機に1時間早期出勤、早期退勤の実施の提起があり、その勤務方法が実施されたのです。そして、そのまま2学期になってもその勤務方法を実施することになりました。これは教育委員会、管理職の了承のもとに出された方法です。会議で遅くなる時も同僚のガイドでやってもらえる安全でしっかりした対応策が出されたのです。岡安先生も安全が保障されて納得されました。それなりの事務手続きはある訳ですが、通勤時間が1時間ずれることで通勤の混雑する時間帯が回避できるメリットがあると言っていました。学校前でガイドヘルパーを依頼する方法に関しては、帰りの時間が会議で遅れる場合もあり、時間帯が確定できない事や、職場と岡安さんの住んでいる自治体が県が異なる問題が一つの壁になっていたということでした。 交通量調査実施報告 古河第2高校前にて 飯島光治 はじめに なぜ交通量調査ですが、岡安教諭が、毎日歩く横断歩道は安全か。信号機は必要ないか。そのためにも、まず交通量調査となりました。 2022年9月8日(木)。15時から18時30分。 参加は、宮城、森谷、岩井さん、飯島、ガイドヘルパーさん。 大宮から古河駅まで行き、古河駅から古河第二高校まで、森谷、宮城、飯島は徒歩で。20分ぐらいかかったでしょうか。途中周りは開けている感じがしました。。 学校につき、その校門前に一車線の車道があり横断歩道はあまり長くありませんでした。岡安教諭は、行きは学校近くのバス停で降り、帰りは横断歩道を渡り、駅方面のバス停からになります。 17時から10分間、交通量調査をしました。駅から見て上り下りの交通量を。岩井さんが用意したつまようじで、一台通るとつまようじ一本取ることにしました。結果は駅方面(上り)は、44台。下りは、26台でした。信号機設置について岩井さんと森谷さんは、舗道の幅、周りの状況について検討していました。 尚、この際ガイドヘルパーさんに依頼し、スマホで現地の動画撮影を行い、総会当日、上映しました。 以上報告します。 古河第二高校前での交通量調査 森谷良悦 9月8日(木)岡安先生の勤務先である茨木県立古河第二高校正門前で、交通量調査を行った。古河駅から歩いて20〜30分の所に位置します。 正門前の道路は片側1車線で狭い歩道があります。 午後5時から5時10分まで10分間の間に、何台の車が通過するか数えてみました。 対象は車だけでなくオートバイや自転車も含めて数えました。オートバイや自転車の通過は、ほんの数台だけでした。 駅方向には44台、逆方向へは26台でした。 晴眼者にとっては、簡単に横断できる台数と思われます。しかし信号がないため、視覚障碍者にとっては大変危険かもしれません。 そこで私たちは信号機を設置して安全に渡れるように調査を行いました。 正門から出て右側に横断歩道があります。横断歩道の手前は、学校の敷地が石垣のようになっていて狭く、また、向こう側は美容室の入り口が階段になっていて、とても信号機設置は無理と思います。それなら正門から出て左側はどうかといえば、左側に横断歩道をずらしたとしても、手前側の数m先にはバス停があり、難しいかもしれません。 また、向こう側には私有地の駐車場のようなところがあり、難しいのかもしれません。 視覚障害を有する岡安先生は勤務時間を1時間早め、終了する時間を1時間早くするということになり、また退勤の時には、必ず誰か1名が付き添って下さることになり、とりあえず横断歩道などの問題は解決したようです。 ただ、このことは一時的なものではないように、注視していく必要があると思います。 総会感想文を掲載します 教育ネットワーク第27回定期総会に出席して 勝原 裕子 さいたま新都心駅に午前11時45分ちょっと過ぎに着いた。食事をする人は、45分集合という事だったが、誰もいなかった。その後、目の見えない人が駅員に誘導されて地図の前に立った。12時半過ぎに岩井さんとガイドヘルパー2人が来た。岩井さんに地図の前に目の見えない人が立っているけど、教育ネットの人じゃないかときくと違うとの事だった。障害者交流センターに着くと、さっき見かけた人が岡安さんだったと分かった。森谷さんが迎えに行った。 今までの集会と比べて出席者が非常に少なかった。事務局以外の会員は、岡安さんと私だけだった。岩井さんのガイドヘルパー2人、埼玉大の学生が3人、計11人だった。新井さんは、電話で出席だった。都合が悪い時は、電話で出席というのは、良い方法だと思った。オンラインの出席もありにしても良いと思う。 議案書は、録音で読み上げられた。声がはっきりして、とても聴きやすかった。良い試みだと思う。第1号議案、2021年度活動報告、第2号議案、会計報告は、賛成多数で承認された。 第3議案、2022年度活動方針には、事務局長の岩井さんから賛成できないという意見が出された。事務局の岩井さんから意見が出された事は、重く受けとめられる。なぜ賛成できないかというと活動方針の内容と決める過程に問題があるという事だった。 A案(活動を縮小して活動の焦点を絞っていく)に決定したが、A案を指示した3人が6つの柱の中の4番目のホームページを改修する、ホームページを見てもらう為に業者に頼んでチラシを作ろうという事を定例会でない所で決めた。これは、拡大解釈で岩井さんは、納得できないとの事だった。 活動方針の内容もA案といっても具体的に考えると3人で内容が違っている。具体的活動、取り組みを6つの柱にまとめたが、これでは活動を縮小する事にならない。活動をもっと絞った方がいいというのが岩井さんの意見だった。それに対して飯嶋さんは活動方針はあるものの、できる事をやれば良いという意見だった。 最終的には、第3号議案は裁決しない事になった。 事務局が4人、一般会員が岡安さんと私の2人、それに学生が3人、岩井さんのヘルパーが2人、第1号議案、第2号議案は、この人達を入れて採決した。意見が割れている第3号議案を学生やヘルパーを入れて採決するのは、反対だ。今回の総会に出席していても、今迄のいきさつを知らないし、教育ネットの今後に責任も持てないからだ。 第3号議案では、活動を縮小する事にならないと私は思った。4人の事務局では、負担が重過ぎて実行可能とは思えない。 次に岡安さんの交通問題の報告があった。 初めに岡安さんの駅から学校迄、学校の周辺、帰り道の問題点を考える動画を見た。 岩井さんから目の見えない人は分からないから動画で見える事を説明して欲しいと再三要請があった。飯嶋さんは、説明のしようがないと言った。私は古河駅前に行った事のない私でも見た通りに説明できると思う。例えば、左手に歩道があって、タクシー乗り場がある。バス停がどこにあるか探している位の事なら言える。 行きは、JRの職員が電車を降りた所からバス停迄連れて行ってくれ、バスの座席に座る所迄見届けてくれる。バスを降りてから学校迄は・校舎側の歩道を歩いていけ、安全は確保できている。帰りは、信号機が無い横断歩道を渡って狭い歩道を歩いてバス停迄行かなくてはならない。 前任校でも世話になった同僚がバス停迄連れて行ってくれた。問題は、勤務時間外なので、岡安さんや同僚が事故にあった場合だ。信号機の設置を警察に要望しても、基準に達していないと要望に答えて貰えない。今は、次善の策として、勤務時間を変更している。1時間早く出勤して1時間早く退勤する。そのお陰でラッシュの時間が避けられ、同僚に勤務時間内に送って貰える事になった。職員会議、学年会の折は、管理職が送ってくれる事になった。た。駅前のバス停から駅迄は歩道を歩いて行け、改札口から電車迄は、JRの職員が連れて行ってくれる。これで一応、交通問題は解決した。 第3号議案については、事務局で今一度話し合い会員に提案する事になった。 参加してくれた学生から感想文が3人から投稿されました。電子データが無いので、ここには掲載できません 近況報告 神奈川県立平塚盲学校 教諭 齋藤健児 平塚盲学校に努めて13年目になる。採用当時は中学校を受験したのに、盲学校に配属されたという気持ちと母校で努められて嬉しいという両方の気持ちがあった。中学校で働くのであれば、自分のことを知ってもらい、様々な人が社会には存在するというモデルの役割もあるでしょうし、盲学校であれば視覚障害者の先輩として、伝えられることはたくさんあるでしょうと考えていた。 何年か働いている内に気持ちは変わった。最初のころは中学校への異動希望を出していたが、希望は通らず、盲学校にそのままいることになった。盲学校で教えている内に視覚障害教育の専門性の維持・継承の課題に興味を持ち、様々な研修や研究会に参加して勉強をした。そして、「盲学校で働きながら、よりよい視覚障害教育をこれからもしていきたい」という気持ちが強くなった。今では、どっぷりと盲学校のためにできることをしながら日々教育活動を行っている。全国的な課題である生徒数の現象、教員の異動の問題、それによる専門性の維持・継承の問題など、課題は山積している。 もう一つ働く喜びとしては、盲学校にいることで自立活動を担当できることである。生徒一人一人が、点字やパソコン、作業、コミュニケーションなどのスキルを身に着けていく姿を見ると、楽しくて仕方がない。様々な手立てを考えて授業をすることができて幸せである。 現在私は研修・研究部のリーダーとして、教員の授業力向上のために研修をしたり、研究授業の取りまとめをしている。授業は英語はもちろん、自立活動で点字、パソコン、ブレイルメモなどの点字情報端末、歩行の指導をしている。また作業学習、進路学習、修学旅行や学部行事の企画運営などを同時に指導している。更に重複障害の生徒への点字指導も行っている。部活動は音楽部の顧問として、生徒と一緒に文化祭や発表会に向けて練習をしている。このように多忙ではあるが、楽しく、明るく教えることを意識して充実した毎日を送っている。 これからも盲学校に転勤してきた先生方に視覚障害教育について学びを深めてもらえるように努めたい。また、視覚障害単一生徒への指導はもちろん、重複障害生徒への指導についても自らの学びを深め指導実践を重ねたい。 ハートネットTV「全盲淑則先生、思い伝える最後の授業」 再放送のお知らせ!! 去る5月10日に放映されたNHK番組、ハートネットTV「全盲淑則先生、思い伝える最後の授業」が来年に再放送されることになりました。 2023年です。 1月23日(月) 20時〜 2月1日(水)15時30分〜 教育ネットからのお知らせ 会費無料になりました。 教育ネットの銀行と口座が変わりました。 令和4年9月9日から教育ネットの銀行と口座が変わりましたのでお知らせいたします。 りそな銀行りそなリテール口座 店番 普通預金口座番号 森谷 良悦 535 1295270 モリヤ リョウエツ 名義は教育ネットではなく個人名義(モリヤ リョウエツ)です。 会費は現在18万円くらいあります。 会費は使い切るまで徴収いたしません。 カンパは歓迎いたします。 会員通信は無料で発行します。 会計担当 森谷良悦 総会第3号議案(修正版)を掲載します。 総会において、第三号議案に関して疑問点が出されたため採決せずに事務局で修正して後ほど出すことになりました。以下がその修正版です。修正版は総会で提起された議案の前文と6本柱の1,4,5,6本柱はそのままの内容です。2本柱と3本柱を削除し、会員通信を発行するを追加しました。4,5,6を繰り上げ5本柱にしました。 第3号議案 2022年度活動方針 (修正版) 一昨年からの新型コロナの拡大は社会生活に影響を及ぼし、6回ほどの緊急事態宣言が出されるに至った。社会活動も色々と制限され、昨年度の定期総会は3か月遅れで開かざるを得なかった。コロナ対応策が色々と打ち出される中で、マスク装着も定着してきた。3回のワクチン接種も実施され、今年になり1月、2月、3月と事務局会議が持てなかったものの、新型コロナも次第に下火になってきている。コロナの再度拡大など、まだまだ不安は残るものの、社会の動きも徐々に回復しつつある。 教育ネットの活動は27年目に入る。昨年は教育ネットの現状を踏まえ、岐路に立つ状況で、今後のあり方、方向性を話し合いを持った。その結果、今後も活動をできる範囲で継続する。次の5本柱の下に活動することに決定した。 中心となる5つの柱 1.当事者問題に取り組む、岡安さん問題 転勤先の問題点の解消 視覚障害を持つ岡安教諭は昨年度休職前勤務校の茨城県立古河第3高校に復職したが、合理的配慮がなされ、勤務時間の軽減、授業補助者の配置、さらに授業準備成績評価のサポートがなされており条件整備が確保されていた。本年度は茨城県立古河第2高校に転勤したが、前任校とほぼ同様の勤務条件が補償されていた。しかし、通勤の危険な状況にあり、その危険を回避することが緊急の課題となっている。岡安先生本人と連携して早急に解決を図ることが必要である。交通問題を抱えている仲間との連携を取る。 Kさんは体力的に不安定な所もあるが、学校に通い研修を深めている。また、この間連絡の取れていない当事者との連絡も課題である。 2.会員通信を発行する。 3.ホームページを改修し、より見やすくインパクトの強いものにする。 色々なアイデアも出されていたがより良いものを取り上げ、具体的に取り組む。 より見やすく分かりやすいものにし会員の拡大につながるように工夫する。 4.教育ネットの総括を作成し、記録に残す。 教育ネットの27年になる活動を振り返り、総括を行い、記録に残す。 5.役員改選を行う。 仕事分担を行い、事務局の仕事を円滑に行う。 定例会、会員通信発行、学習会など役割分担の下、適宜行う。 以上の5本柱を中心にして、とりあえず3年間を目途に活動を推進する。 第5号議案 新役員体制 代表 新井淑則 事務局長 宮城道雄 会計 森谷良悦 会員通信編集 飯島光治 総括担当 宮城道雄 |