ノーマライゼーション・教育ネットワーク 会員通信 2022年夏号  〜2022年7月11日発行〜 【代表】新井淑則   【事務局】岩井隆 〔ホームページ〕  URL:http://www.japan-normalizatio.com/ 連絡先〈 郵便 〉〒344-0041 埼玉県春日部市増富763−1 飯島気付             〈 電話 〉090—2441—0938(岩井)             〈メール〉rsj78162@nifty.com(宮城) ノーマライゼーション教育ネットワーク   第27回定期総会開催案内  会員の皆様、読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか。一昨年からの新型コロナの流行による社会活動の停滞も、ワクチン接種の広がり等の色々の対応策がだされ、本年度に入り、一定の効果を表して来ているようです。昨年度は3か月遅れで開催された定期総会では、教育ネットの今後の方向性についての話し合いが行われました。その結果3つの意見にまとめられました。それらに関して事務局で話し合いを持った結果,会の活動はできる範囲で継続するということになりました。 本年度に入り、かなり早い梅雨明けとともに猛暑日が何日も続いています。27年度定期総会も準備の関係で、例年の日程よりは1か月遅れですが8月28日開催になりました。ぜひご参加くださるようお願いします。 第27回定期総会開催実施要項  開催日 2022年8月28日(日)  会場  埼玉障害者交流センター(048—834—2243) 第3会議室(2階)  主な日程  12時30分 集合=さいたま新都心駅改札(昼食を摂るグループは11時45分集合)  バス乗車 13:00 入場  会場入り口で体温測定、手の消毒の後 2階第3会議室へ 13:10〜受付 13:20〜第27回定期総会 (議案の一括採決は行わず、第1号議案から第5号議案まで各号ごとに採決をする) 13:20 代表挨拶 または開会挨拶      参加者の自己紹介(及び近況報告) 13:35〜14:10  第1号議案 2021年度経過報告        2021年度総括  第2号議案 2021年度決算  第3号議案 2022年度活動方針  第4号議案 2022年度予算  第5号議案 役員改選 ・各号議案の提案及び採決 ・特に意見を表明したい方に発言をしてもらう 14:20〜16:25 「岡安先生の通勤の交通問題を考える」 14:20 司会者 岡安問題の紹介    岡安先生職場近況報告     現地調査報告 15:20〜15:30 休憩 15:30〜16:20    南沢先生 職場問題報告     中村さん 交通問題報告    質疑応答(話し合い) 16:20〜16:25 閉会の挨拶 ※総会に参加される方は、必ず下記の電話にお申込みのうえ連絡のつく電話の番号をお知  らせ下さい。コロナの増加の心配もあり、状況によっては中止・延期が想定されます。 その際はこちらからお電話いたします。 ※会場までの誘導や案内を希望される方は当日12時30分にさいたま新都心駅改札口にお  越し下さい。 *昼食を取ることを希望する方は11時45分にお集まりください。駅近くで食事を取り、 バスに乗ります。 ※会場の障害者交流センターへは、センターの送迎バスをご利用下さい。10分ほどで到 着します。駅東口3番バス乗り場よりご乗車下さい。運行間隔は15〜30分です。 ※到着後、センター玄関で手指の消毒と検温が行われます。測定された体温はコロナ対策 の 一環でセンターで管理します。教育ネットでそれをまとめ会の終了後にセンターに 報告 します。総会会場の受付でお名前と体温を承ります。 ※その他、ご不明な点は下記電話までお問い合わせ下さい。        090・2441・0938(事務局長 岩井) ☆本会の今後のあり方(A案に決定)                                  森谷良悦        本会も20数年活動を続けてきたが、障害のゆえに問題を抱える教員も最近ようやく条件整備も進み、待遇が改善されるようになってきた。また、本会員の高齢化も進み会の運営もままならなくなってきた。そこで、時間をかけて教育ネットの今後が話し合われ、次の3つの案が出された。 A案  会員の増加、事務局の若返り、ITなどにも対応する機動性の獲得などを目指しつつ、 当面は活動を縮小して活動の焦点を絞っていく。 B案  障害者雇用の施策は一応の改善がみられ、教育ネットの当初の役割は終えた。教育ネットは活動を終了し、会を解散する。 C案  教育ネットが培ってきた会員相互のつながりは維持し、親睦団体として活動を続ける。  これらの案が採決される前に事務局で討論が進み、具体的活動、取り組みを次の6つの柱にまとめられた。 1.当事者問題に取り組む           2.当事者の授業見学や模擬授業を実施する。 3.埼玉県教委に提出した提言の経過を検証する。 4.ホームページを改修する。 5.教育ネットの総括を作成し記録に残す。 6.役員改選を行い仕事の分担を行う。 事務局で4名の案は、最初A案に賛成するのが3名、B案が1名、C案は0名だった。また、会員通信などを受け取っている9名の会員は、A案が3名、B案も3名、C案は0名、保留が3名だった。 しかし、事務局でB案に賛成だった1名が、この6つの柱が4名にそれぞれ共有された時点でA案に回り、意見の相違が解消され、教育ネットの今後がまとめられた。 ところが、A案を支持した3名が、6つの柱の中の4番目ホームページを改修するという柱に、改修から逸脱した提案がなされたため、B案からA案にまわった1名がこれは話が違うと難色を示し共有できないということで合意はふりだしに戻された。そして討論の末に話がまとまらず採決に入り、A案支持が3名、B案支持が1名となり、A案が採択されることになった。 こうして当面は活動を縮小し、会が存続されることになった。 新しい学校の様子 〜盲学校と聾学校とが統合して〜 藥師寺剛  私は今年4月から、新潟盲学校と新潟聾学校とが統合して新設された新潟よつば学園に勤務している。よつば学園は視覚障がいのもう部門、聴覚障がいのろう部門、そして知的障がいのじりつ部門の3部門で構成されていることなどは、前号にてお知らせした通りである。今回は実際に学校が開校してからの様子について述べる。  前号で触れた通り、校舎の廊下の端には柱が何本かあり、廊下の端の手すりや壁をつたって歩こうとするとこの柱に衝突してしまう。そこで壁から60cm離れた床面に点字ブロック(誘導ブロック)が敷設された。盲学校の生徒たちはこれまで右手で手すりや壁をつたって歩いてきている。それが足の裏で点字ブロックを確認しながら歩くことに変わった。この変化になかなか対応できない生徒が多い。またある生徒は使用する教室は主に2階であるが、使用できるトイレが1階にしかなく、階段の昇降でかなりの時間を要している。  その点字ブロックの敷設が一部に限られている。例えば2階の職員室から体育館へ行く経路にはあるが、帰りの方はついていない。  授業は各部門棟の教室で行われているが、食堂はすべての児童生徒、職員が利用する。食堂への移動は、平行に延びる2本の廊下を使って導線を分けている。また、食堂の利用時間帯も部門ごとに分けられている。それでも、食堂への移動に関してのヒヤリ、ハットの事例が報告された。どちらが悪い、ということではなく今後全員がより一層注意をしていくこととなった。私自身も、この食堂への往復が1日の中で最も緊張する時である。  私は前号の原稿で「廊下にはろう部門の生徒のための大型モニターが壁に設置されていて、壁沿いに歩くとモニターの側面がちょうど顔に当たる高さにあった。ろう部門の生徒にとってモニターは、字幕表示をして聴覚からの情報を補う大切なものである。モニタの端に緩衝材を取り付け、一部壁を削ってモニタの出っ張りを小さくすることとなった。」と書いた。実際には緩衝材は設置されたが、壁の工事は行われなかった。  このモニタは「未来スクールステーション」という名称のシステムで、同時に100以上の端末に動画などを配信できるものである。ただ、発信が校内の1か所からしかできず、その操作が複雑であるために使用されたのは4月の開校式の時のみである。普段は画面に「チャイムが鳴りました」と字幕が出されている。しかし、ろう部門の生徒たちは聾学校の頃から見慣れている信号のように色分けされたライトを見て行動している。中の良いろう部門の職員から「あのモニタは、一体何のためにあるんだろうね。少なくとも、聴覚障がいのある生徒には必要ないんだけど」と言われて、答えに窮した。  3部門の日課表が異なるので、チャイムが5分おきに3回続けて鳴る時が何度かある。設定上チャイムのメロディが1種類しかなく、チャイムが鳴って授業時間が終わったのか、と思い時計を確認するとまだ5分前、ということが良くある。  教室は盲学校の校舎の教室よりかなり狭いことは前号でお伝えした。もう部門のある学級は生徒が5名である。案の定生徒たちが入るのがやっとで、黒板側の正面に教卓を置く余裕がない。私は黒板に背中をつけるようにして立ち、授業に一緒に出ている職員が弱視の生徒のために板書をする際は出入り口の前に移動している。  職員数は全校118名で、とても大勢になった。しかし、昨年度の盲学校と聾学校の職員の合計数と比べるとかなり減少した。いわゆる職員室の職員で10名以上減少している。私が所属しているもう教育部門でも各分掌や係などを細かく見ていくと現象の影響は否めない。実際に授業が始まると昨年度までのようにはできないことが増えた。  職員減のためもう部門、ろう部門ともに各教科・科目の専門の職員が充足していない。よって専門外の教科を担当する職員が多くなった。特にろう部門は顕著である。昨年度示されたよつば学園のグランドデザインには「校内異動を活発にして、複数部門の担当が可能な職員を育成する」とあった。今年度はもう部門、ろう部門がそれぞれ独立して授業を担当しているが、来年度以降はもう部門、ろう部門の双方で授業を担当する職員が出てくることが予見される。  また、事務員や給食の調理員の減少は顕著で、給食の配膳については大きく変わった。これまでは食材が盛り付けられた食器がテーブルごとに置かれていて、配膳はその食器をお盆に入れる程度であった。そのため生徒たちはできるだけ自分で配膳をしていた。現在は給食の時間の前になるとエプロンや三角巾を持った職員が食堂に行き、食缶を運んだり食器に盛り付けをしている。そしてあわただしく黙食をしてそそくさと安全に注意して食堂から立ち去る。給食を楽しむ、という余裕はない。下膳する際に厨房の前を通るが、まさに戦場のようである。  5月に行われた体育祭は、3部門合同で実施された全校行事であった。徒競走などは部門ごとに行われたが、綱引きとダンスは全校で行われた。綱引きはこれまでより大勢で行うことができ、盛り上がりを見せた。ダンスは聾学校でここ数年継続して取り組まれているものであった。そこに4月から見様見真似ができないもう部門の生徒が加わった。練習の期間が短く、なかなか同じように踊ることは難しかった。全校で一緒に活動することを考える際に、旧盲学校、旧聾学校の職員間でどうしても「自分たちがこれまで行ってきていることに合わせてほしい」という意見が多く聞こえてくる。しかし、そう単純にはいかないことがあらためて理解できた。  体育祭の結団式において児童生徒の自己紹介があった。氏名が書かれた紙を手に持ち、一人ひとり自己紹介をする。ろう部門の児童生徒は手話をまじえて行い、その他の児童生徒の時はろう部門の手話通訳の職員が隣で手話を行って伝えていた。あるもう部門の全盲の児童が、自ら手話を用いて自己紹介をした。担任からまさに手とり、足とりで教わり、繰り返し練習をして覚えたものである。気づいた手話通訳の職員はすぐに手を止めて、その児童に注目するように促した。ろう部門の生徒たちはじっとその児童を見つめ、終わった後に大きな拍手が起きた。体育祭当日も、その児童はろう部門の児童たちと一緒に手話を交えてあいさつをしていた。目下のもう部門の生徒たちの関心事のひとつは手話となっている。  私にとってよつば学園と言う学校は、職場である。よって教育活動を行う上での環境について気になる。しかし生徒たちにとっては学校は居場所であり、この統合は新たな友だちや仲間との出会いを提供した。私が思う以上に生徒たちは互いの存在に刺激を受け、仲良くなりたい、一緒に学校生活を楽しみたいという気持ちを持っている。その気持ちを無下にするわけにはいかない。私自身まだ慣れないことが多いが、少しでも生徒たちのための環境を整備し、新しく作られた校歌の歌詞にあるような「みんな輝く、よつば学園」となるよう、職員の一員として取り組む思いを新たにしている。  職場近況報告              岡安 秀展               昨年度より復職することができました。岡安です。 今年度は移動により勤務地が変更になりました。 勤務地が変わると,通勤方法が異なるため慣れるまで不安です。 年度末の3月下旬,国リハの職員さんと新たな通勤ルートを確保するために訓練をしました。 新しい職場では1階の職員玄関から2階の職員室にある自分の席までのルートを最優先に覚えました。 続いて自分の席から職員トイレ,4階のPC教室までのルートを確認しました。 全てのことが覚えなおしですが,先生方や生徒たちがとても親切に対応していただいているので,現在まで安全に移動することができています。 PC環境は若干異なる部分があります。 しかしながら,幸いなことに私の補助をしていただける先生が昨年度と同じ先生のため現在まで大変スムーズに新しい職場環境になれるように尽力していただいています。 朝の通勤は昨年度とほぼ同じです。 5時に起床,身支度を済ませて6時のバスに乗ります。 自宅から最寄りのバス停まで向かう十字路は歩道が狭く縁石が途中で切れてしまう場所が多く,雨天時や体調がすぐれないときにうっかり車道に出てしまうことがあります。 最近は私のことを認識してくださるお客様や運転手さんが優先席に案内してくれます。 電車の乗り換えは駅員さんのおかげで何の問題もなく勤務先の改札口までたどり着くことができます。 勤務先の最寄り駅改札口から路線バスのバス停まで当初は一人で向かっていました。 バス停まで点字ブロックが敷いてある場所と途中で道路を挟む関係で途切れてしまい,迷子になってバスに乗ることができなかったこともありました。 現在は駅員さんにバスの乗降口まで案内していただき安全に乗ることができています。 帰りは,会議などで遅くならない限り5時代のバスで帰宅します。 最寄りのバス停が勤務地と道路を挟んで反対側にあります。 信号機のない横断歩道で交通量が激しく,私が一人で横断することはかなり難しいです。 国リハの職員さんが昨年度末,地元の警察に問い合わせをしたところ,道幅が非常に狭いため信号機を設置すると歩道がなくなってしまうため設置はむづかしいという回答でした。 今のところ補助の先生のご厚意により最寄りのバス停まで安全に誘導していただいています。 いつかは自分一人で何とかしなければならない時が来るので,管理職の先生,補助の先生,ケアマネージャーさん,地元の福祉課の職員さんにお願いして安全に帰宅できる方法を現在模索中です。 週末はヘルパーさんに買い物のお手伝いをしていただいています。 また,同行支援制度を利用して,2か月に1回外科のクリニック,3か月に1回眼科に通院しています。