ノーマライゼーション・教育ネットワーク会員通信2019年秋号

【代表】新井淑則   【事務局】岩井隆 〔ホームページ〕  URL:http://www.japan-normalizatio.com/ 連絡先〈 郵便 〉〒344-0041 埼玉県春日部市増富763-1 飯島気付             〈 電話 〉090―2441―0938(岩井)             〈メール〉rsj78162@nifty.com(宮城)

2019年度教育ネット定期総会実施

 7月27日(土)、教育ネット定期総会を開催した。令和になって初めての定期総会となった今回、 台風の接近が心配されたが、大きな混乱もなく開催でき、22名の参加があった。関東から、遠くは 富山や大阪から参加をしてくださった方もいた。また今年の総会は王子のスポーツセンターが改修 中ということで、多摩の障害者スポーツセンターにて行った。  13時15分に、代表の新井先生の挨拶をもって会が始まった。議長には江口さんが選ばれ、四つの 議案が提出された。  一つ目は2018年度の総括についてである。飯島さんの代読にて文が読み上げられた。会員の授業 見学や障害者採用の水増し問題などに取り組んだことが周知された。多数で承認を得られた。  二つ目は2019年度の活動方針についてである。今後も会員の授業見学、支援に加えて障害者採用 の水増し問題について会として取り組んでいくことが説明された。加えてHPによる積極的PRも進め て会のことを社会に訴えていき、また障害を抱えて悩んでいる教員の支援に繋げていくことが示さ れた。これも多数で承認を得られた。  三つ目は2018年度の決算についてである。会費や20周年記念誌の売り上げなどの収入から、会と しての活動において費用が適切に執行されていることが説明された。この議案も多数の承認を得る ことができた。  四つ目は2019年度の予算についてである。20周年記念誌の販売については目処がついたため積極 的な販売は行わず、今後も会員を増やすことで安定した収入を確保することが示された。これも多数 の承認を得ることができた。  この四つの議案をもって今回の総会は終了した。

模擬授業「いっぱい生きる 全盲の中学校教師」の報告

 定期総会に引き続き、午後2時20分より道徳の模擬授業「いっぱい生きる 全盲の中学校教師」 が行われました。総会に参加した二十数名を中学校の生徒に見立て、岩井さんと森谷さんが教師役 となりTTの授業を展開しました。  以下は、岩井さんと森谷さんの授業の最終打ち合わせの内容を記した用紙に生徒役の実際の発 言等(文章中のゴシック体の部分)を加筆したものです。模擬授業の様子が幾分なりとも伝わって くると思います。なお「いっぱい生きる 全盲の中学校教師」の教材本文は本誌前号(2019年夏号) に掲載してあります。そちらをお読みください。   道徳「いっぱい生きる全盲の中学校教師」の授業の進め方(最終打ち合わせ) 授業のねらい ・「いっぱい生きる」という言葉を手掛かりに「生きること・生き方」について生徒に考えさせる。 ・折角の新井さんの教材化であり、生徒の視覚障害の理解につなげていく。 授業の流れ【  の部分・⑤の全体・板書・生徒の指名は森谷さんが担当する】  起立、礼、「お願いします」、着席 ・「これから道徳の授業を行います、授業をするのは岩井と、森谷です。」(+前置きの説明を少々) ①「いっぱい生きる」というタイトルから、その生き方を考え、想像させる 教材名の『いっぱい生きる』の紙片を黒板に貼る。 発問1「今日、勉強するのは『いっぱい生きる』という話です。ところで いっぱい生きる とはどう いうことなんでしょうか? どんなふうに生きるのですかね? 皆さん、どんな生き方を想像しますか?) 生徒、挙手・発言 ◎精一杯生きる ◎一瞬一瞬を生きる ◎たくさん何かする 生徒の発言の要旨を黒板に箇条書きする ②『いっぱい生きる全盲の中学校教師』の本文を読む 「教科書を開けて下さい。これから本文を読んでいきます。」(密かに「全盲の中学校教師」の紙片 を黒板に付け加える)「児玉さんと後藤さん、教科書を読んで下さい。」(宮城さんを通じて埼大生 2人に依頼してある) ③新井さんの心情を考える。 発問2「新井さんはどんな人ですか?」(生徒の回答を通じてあらすじも確認)   生徒、挙手・発言 ◎中学校の先生 ◎サッカー部の顧問 ◎ちょっと自信過剰な人 ◎結婚して子どもがいる ◎目が見え ない 発問3「新井さんはどうして教師をやりたかったのでしょうか?」(発問2で「目が見えない」とい う回答が出たので、発問3を省略した方が流れがスムーズになる→発問3を省略し④に直結) ④視覚障害ということを考える 発問4「新井さんは視覚障害があります。見えるのですか? 見えないのですか?」「新井さんは教科 書を読めますか?」「新井さんは授業ができると思いますか?」   生徒、挙手・発言 ◎授業はできない ◎教科書が読めない ◎黒板に字が書けない  発問5「授業ができるという人は、その理由を説明して下さい。」   生徒、挙手・発言 ◎やる気があればできるって、教科書に載っていた ◎工夫すればできる ◎教科書の62ページにマグネットを頼りに文字を書いている写真がある ⑤視覚障害を擬似的に体験 「新井さんはいろいろな工夫をして授業に取り組んでいるようです。その1つとして磁石を使って 黒板に目が見えなくても字を書けるのかどうか、実際にやってみたいと思います。前に出てやって みたい人は手を挙げて!」   生徒、挙手→3人が順に黒板に出て、アイマスクを着けて字を書く→感想の発表 (予定外であったが、新井淑則さんが黒板に字を書いてみせるというサプライズもあった。) ⑥新井さんの工夫を読み取る・思う・考える 発問6「只今の磁石を使って字を書いたように工夫の仕方や便利な道具で、目が見えなくても授業 ができそうだということが分かってきました。新井さんが授業を行うために工夫していること・ やっていることが他にあるでしょうか? 教科書の中から探し出してみましょう。どのような工夫や 道具なのでしょうか?   生徒、挙手・発言 ◎点字を使う ◎生徒にお手伝いしてもらう ⑦新井さんの葛藤と突き動かしたものを考える 発問7「では、新井さんは何の戸惑いやためらいもなく教師に戻ったと思いますか? それとも何か 思いとどまるものがあったでしょうか? 最終的に教師に戻ろうと考えたのは何故ですか?」(葛藤と 突き動かしたものを考えさせる)   生徒、挙手・発言 ◎私だったらそこまでやれないなと、あきらめてしまう ◎最終的にはヒューマンアシスタントが 必要だと思う ⑧再び『いっぱい生きる』について考える 発問8「最初に『いっぱい生きる』というタイトルについて考えましたが、新井さんはいっぱい 生きているのでしょうか? あなたはいっぱい生きていますか? いっぱい生きるにはどうしたらいい と考えますか?」 「プリントを配りますので、お考えを書いて下さい。10分の時間をとります。」 プリントを配布   生徒、プリントに記入(生徒の書いているプリントを盗み見して「⑨まとめ」で発表させる 生徒の見当をつけておく) ⑨まとめ 1~2人の生徒にプリントの内容を発表させる。プリントを回収して授業を終了する (最後の⑧と⑨は時間の都合で展開できなかった。)  起立、礼、「ありがとうございました」、着席 用意するアイテム ・教材名の『いっぱい生きる』『全盲の中学校教師』の紙片・磁石・アイマスク  当初40分を予定していた模擬授業の所用時間は丸々50分かかってしまいました。そのため、 その後に予定していた時刻がそれぞれ10分ずつ食い込んでしまいました。話が長くくどくなる のは、教師の性(さが)とも言えるかもしれません。ご勘弁を願います。  さて、岩井さんによると、今回の模擬授業は視覚障害(者)そのものに焦点を当て、そしてそ の理解をねらいの1つとした授業展開の一例になるように工夫したと言っています。たしかに マグネットを利用して黒板に字を書く体験などは、生徒たちにとっても体験することが少なく、 視覚障害を理解する1つの手だてになると考えられます。また、新学習指導要領にあるアク ティブラーニングを取り入れた授業形態ともいえます。  本年度からの中学校の道徳の教科化にあたり教材 (教科書の1単元) になった「いっぱい生 きる 全盲の中学校教師」ですので、先行事例・先行研究は少ないことでしょう。ですから、 この「いっぱい生きる 全盲の中学校教師」という教材のどこに焦点を当てるかによって、 また教材理解によって授業のねらいは元より授業の展開も大きく異なってくるのは当然です。 その中で、まず教育ネットが教材の価値と可能性に注目し、それに基づいた授業を模擬授業 という形態での公開を試みた訳です。  今回、「いっぱい生きる 全盲の中学校教師」の筆者の山中守成先生にお越しいただき話し 合いが持てたことはとても有意義で得難いことでした。ただ残念なのは、私たちの勉強不足 と話し合いの十分な時間を用意することができなく、参加されたみなさんも山中守成先生も 未消化の感を拭えなかったのではないでしょうか。  会員のみなさん、読者のみなさん、「いっぱい生きる 全盲の中学校教師」の授業をご自分 で取り組まれたり、取り組んでいる事例をご存知であれば、その資料や情報を教育ネット事 務局まで是非ともお知らせください。  これから先、道徳に限らず障害者のこと・障害者の生き方のことが教材になる可能性は大 きいでしょう。今回の模擬授業を先行研究として、これからも障害(者)に関わる授業の研究 や教材発掘にも取り組んでいきたいと思います。  なお、模擬授業の中の発問8で生徒に配布する授業の振り返りのプリントを資料として このページの後に付け加えてあります。参考にしてください。  また、別稿で模擬授業に参加した感想6編と参加者からいただいたご意見等をまとめた <模擬授業「いっぱい生きる 全盲の中学校教師」のアンケート結果>があります。 そちらもご覧ください。

『いっぱい生きる 全盲の中学校教師』の授業を振り返って

・新井淑則さんの生き方を知り、あなたはどんなことを思いましたか? ・あなた自身が「いっぱい生きる」ためには、どのような気持ちや行動が必要だと考えますか?   「いっぱい生きる」には、どうしたら良いのでしょうか? 1年 組 名前

模擬授業「いっぱい生きる 全盲の中学校教師」のアンケート結果

                                 森谷良悦  7月27.28日に行われた教育ネットの第24回定期総会の中で、「いっぱい生きる 全盲の中学 校教師」という題目で、道徳の模擬授業が行われました。 全盲の中学校教師とは、もちろん本会代表の新井淑則教諭のことで、今回模擬授業の担当は 岩井隆元教諭で、それを補佐する森谷で行いました。  目が見えなくなったら教壇に立つのは無理だろうとつい考えがちですが、チームティーチング や補助道具の活用などで工夫すれば出来るのではないかと、そこで参加者がアイマスクをつけ て目を覆い視覚障害者になったつもりで、実際に字を黒板に書いてもらったりしました。それか ら「いっぱい生きる」とは何なのか考えていただいたりしました。  岩井元教諭の模擬授業は予定どうり成功のうちに行われ、最後に感想を書いていただき無事 終了することができました。  9名の方から感想を提出していただきましたので、以下全文をご覧になっていただきたいと 思います。

① 模擬授業をご覧になっての感想をお書きください。

◎板書の字の大きさや配置などがシンプルで見やすく、注意を向けやすかった。  今回は実際に視覚障害のある方もいらっしゃって生身の新鮮な声も聞け、また実際にアイマス クをつけて字を書いてみるなど、教材としてのリアリティもあり上質なものだとも思う。 ◎P.61の17行目「やられた」からP.62の1行目の「自分は何の役にも立たない人間なんだ・・・ 心を閉ざしたまま一年が過ぎた」のところを児童に聞いてみたいと思いました。 岩井先生、模擬授業お疲れさまでした。ありがとうございました。 ◎もし自分が目が見えなくなってしまったらテレビの番組も見られない、本も読みにくくなって しまう。そして絵を描くことはできても完成した作品は見られない。とにかくそれは悲しいと思う。 でも出来ることもある。耳は聞こえるのだから大好きな音楽を聴くこともできる。新井先生は、 目が見えなくなってしまったが、絶望の中でも自分の中の大切なこと、楽しさ子供に教えること や学校で学ぶ喜びを忘れることはなく、希望をもって生きているのだと思う。 ◎模擬授業ありがとうございました。初めにタイトルだけ読み「いっぱい生きる」とは何を言っ てるのか考えるところから始まった。この想像の促しは、何を考えながら読めばいいのか目的が はっきりするものだったと思う。が、そのテーマ・目的を読む前にはっきり呼び掛けたほうが 中1にはよいと思った。 後半、実際に黒板に書いたが、その後の話のつながりが正直よくわからなかった。 マグネットの使い方もよくわからないで終わってしまった。そして、時間がなかったのかもしれ ないですが「いっぱい生きる」とは、が結局何かわからないまま終わった感じがした。あまり 教師側から意見を押し付けることがなく良かったが、逆に「結局何がこの話は言いたかったのか」 材料が少なかった。 ◎新井先生のことは以前TV番組で拝見して存じ上げていたのですが、その時には想像には至ら なかった大変さや苦労を授業を通して考えることが出来ました。こういった想像を巡らし学ぶ ことで困っている人の手助けなどもしやすくなると思います。  また、実際にアイマスクをつけて黒板に字を書くことでほんの少しですが視覚障害の大変さ を実感することが出来ました。 ◎盲学校から普通の中学校へ移動しようと思った新井先生の気持ちがとても前向きだと思いま す。その理由は、盲学校に在職していた方がよほど楽な教師生活が出来たはずだからです。 ◎新井さんの天職である教師になれて、支援があった上ですが本当に良かった。 ◎改めて盲目になることの大変さを学生さんがアイマスクをかけて字を書く姿を見て

② 授業への質問・疑問や改善点などご意見を自由にお書きください

☆授業の仕方については道徳教育という観点からして何通りもの方法があると思います。 よって岩井先生の授業の方針としてその目的は果たしたと思います。 ☆後半の時間「いっぱい生きる」ことをこの話から読み取る時間が少なかった。なので正直 黒板に書く時間はそんなに必要はないのかと思った。 新井先生の「いっぱい生きる」とは何なのかそう考えさせる材料となる発問が少ないように 思えたが、あれはあえてでしょうか? 振り返りのシートに「いっぱい生きる」ためには何が必要?とあるが、「いっぱい生きる」 こと前提で話が進んでいる。あくまでもこういう生き方があるよという提示の話で⑦の振り 返りでこの授業は十分だと思うのですがどうでしょうか? ☆今回は模擬授業だったので何とも言えないが、本来の授業では少なくとも2時間は使って 進めるべき教材だと思った。「いっぱい生きる」ということを扱い考えるのであれば、 「生きる」って何なのかというところまで落とし込めると、より深く考えられると考えら れる。時間があれば、以下の項目があると内容としても深まると考える。 ・盲導犬や白杖、その他補助道具の体験                       ・視覚障害になったら・・・・    ・視覚障害のある教師の実情やデータ ・生きるって何だろう。  いっぱい生きる ☆もし、公立小学校で模擬授業をなさるとしたら、アイマスクをつけてのロールプレイを 児童にやらせる場面は、黒板に字を書かせるときに自分の机でアイマスクをつけさせるのは どうかなと思いました。目が見えない状態で教室を歩き、黒板を見つけチョークを探して 文字を書かせてみてはどうでしょうか。今まで当たり前にできていたことすらできなく なってしまった状況を体験させることは、この資料の狙いに迫るために大切なことだと 思います。 ☆ねらいが「人間には気高く生きようとする心があることを理解し、よりよく生きる喜び を見出そうとする態度を育てる。」と設定されている。それに対し、深く考えられるよう な質問や授業の流れが設定されていた感じる一方で、もう少し工夫ができたとも思える。 例えば、山中先生が作成してくださった「本時の指導」?授業の流れの概要[話題の柱] ①②③に沿って落ち込んだ時期  ポジティブに(前向きに)なれた 考えを深められたかもしれないと思いました。 ☆毎日毎日に感謝して大事に生きる。(休むことも含めて)  授業者は生徒を引き込む力を持っている。が、それが一番良いかは?です。

模擬授業に参加しての感想

道徳の模擬授業「いっぱい生きる 全盲の中学校教師」の感想が編集部に寄せられました。 現役の教師・退職した教師・大学生など6名の方です。以下に全文を掲載します。 の教材・1つの授業であっても、多様な観点やとらえ方があることが分かります。 「模擬授業の報告」と併せてお読みください。

埼玉大学教育学部 2年 後藤大地

今回の教育ネットに参加させていただいてありがとうございました。私は大学に入るまで は障がい者と言うのはとても遠い存在で身近に障がいを持っている方は身近にはいません でした。ですので障がいを持っている方と接する機会はあまりなく、また現在は発達障がい を持っている児童としか関わる機会がなかったために、視覚障害を持っている方に会い、 そ の方のお話を聞けたのはとても自分にとってプラスになりました。 わたしがもともと 想像していた障がいを持った人たちというのが、視覚障害や聴覚障害 であり、またリハ ビリがとても辛く大変なものなのだと感じました。授業で扱っていたお話 を聞く限りで はもし自分が同じ立場になれば、耐えられずいきる希望を失ってしまうと思 ってしまい ました。 というのも、もともと今の私には強い生への執着が少なく今すぐ死んでしまう と言われ ても冷静に受け止め死を静かに待ってしまうと思えてしまうからです。その気の 持ちよう を変えようと自分なりに動こうと思ったのもあり、今回のボランティアにも 参加させてい ただいたのもあります。今のところ自分の中では生き甲斐や夢があれば生き たいと強く思 えるのかもしれないと考えています。しかし、今の自分には生き甲斐や夢は なく模索中です。 今回の授業では、視覚障害をもちながら教師を続けたいというの強い 気持ちの元から現在 の状態に苦労の末にたどり着けたのだと思います。そのような夢は いつから持っていたの か、そもそも教師になろうとしたきっかけはなんだったのかを質問 すればよかったと後か ら振り返って思いました。 私は、高校生までは部活動に熱中して いましたが最後の高体連が終わると同時にやりき ることができ、また限界を感じてしまっ ていて大学では新しいことを始めて高校の時ほど までに熱中できずにとりあえずやって みたいことをやっている状況になってしまっている。 それこそ、高校生のときは部活動が 生き甲斐のようなものだったし、一生懸命取り組んでい たが、プロになれるほどの実力も 努力もしていなくさらにわたしの取り組んでいたソフト テニスという競技はプロが存在し ない競技であったため、別の新しく熱中することのでき ることを今は探している状況に ある。そしてそれを見つけられずに悩んでいることを改め て自覚することが今回のボラン ティアに、参加させてもらい感じることができた。もともと 自分はスポーツが得意な方で はなかったため諦めずに続けられたことが自分の良いところ であるし、またいつもスター トラインは他の人よりもずっと後ろにあるということも今回 思いだすことができた。 自分の何になるかはわからないが、今自分はドラムをやってみたい と感じていて、機材も 揃えることができたので自分のできるところまでやってみようと感 じた。さらに、自分を 高めてくれさらに今の自分を支えてくれているソフトテニスには生涯 触れていこうと思った。

埼玉大学理学部 2年 嵜山茜里

・アイマスク着用で黒板に書くなど実際に体を使って体験することで、目が見えない方の 生活をリアルに想像することが出来た。私が想像できた部分は、実際目が見えないかたが 生活する上で直面する困難のほんの一部分でしかないと思うが、当事者の気持ちになって 考えるきっかけができたということが大切だと思う。 ・普段考えることのなかった、道徳の授業について、実際に教師の経験がある方や今教員 免許をとっている学生の意見をたくさん聞けて勉強になった。 ・今後、町中などで目が見えず困っているかたを見かけたときなどに、実際にどのような アクションを起こしたら良いのかなど、私たちができる具体的な手助けなども知れたら よかった。

模擬授業の感想  埼玉大学教育学部 3年 児玉ゆとり

教育ネットの活動に参加させていただき、ありがとうございました。中々無い貴重な体験 ができ、うれしく思います。模擬授業についてですが、今回初めて、道徳の教科書にのっ ている、よしのり先生の話を読ませていただきました。まず導入の部分で、「いっぱい生 きる」とはどういうことか、という質問から入り、子どもたちの興味関心を引き出す問い かけだなと授業を受けていて感じました。そもそも「生きること」を考えるという哲学的 な思考は、学校の授業ではなかなかなく、また、中学生という思春期に、今の子どもたち は恥ずかしがってそのような話をすることも無いでしょうし、とても深い質問だったと思 いました。中の部分で、黒板に磁石をたよりに名前を書くという体験をしていました。 そのような機会はあっていいと思うのですが、やっている最中も、終わったあとも、磁石 の使い方の正解を知ることが出来ず、今回はよしのり先生が実際に書いてくださり、目が 見えない状態で黒板に字を書くことはこれだけすごいこと、大変なこと、とわかったので すが、もしよしのり先生がいなければどうなっていただろうと疑問に思いました。道徳と いう授業について、当日も様々な意見がでていたし、世間でも様々な議論がなされていま す。教科書検定があるため、検定に合格するように、少し内容が疑わしい、自己責任論と か、愛国心とか、少し偏った考えを誤って押し付けてしまうような内容の載っている教科 書もあると聞きます。ですが、よしのり先生のお話は「生きる」ことについて考えられる とても道徳的な、道徳の授業に相応しいものだと思いました。なぜなら、よしのり先生と いう人の生き方を知り、自分はどのように生きているだろう、生きたいのだろうと考える きっかけを与えると思ったからです。他人を知ることで自分を見つめ直す、この経験が、 人に興味を持つことに繋がり、人を思いやることに繋がると私は思います。現代、学校教 育は全国学力テスト、入試、成績表など、学力や心の中まで競争することを子どもたちに 強いている部分が多々あると私は感じています。そのせいか、いじめが増えたり、自殺す る若者が増えたり、20代の選挙投票率が圧倒的に低かったりと、心の問題が多くあるのだ と思います。私はその一因が他人を思うことができないのだと思います。そして同時に、 自分のことも大事にできないのだと思います。そしてさらにその状況を作り出しているの は、先程述べた学校教育の偏った競争の押し付けだと思います。もっと学校教育で本当の、 自分や他人に思いを馳せる体験が必要であるし、道徳はそのためにもあると思います。 ですので、先程述べましたが、よしのり先生のお話は人の生き方について考えるきっかけ を与えるので、道徳の授業において素晴らしい影響を子どもたちに与えると思います。 改めまして、貴重な場面に参加させていただき、ありがとうございました。またお手伝い ができれば参りたいと思います。よろしくお願い致します。

教育ネット模擬授業感想文 ~共に生きる道徳教育とは~  埼玉大学理学部 4年 三井昌樹

 黒板中央に書かれた、いっぱい生きる。―「いっぱい生きるってどういうことだと思う?」 そう生徒に問いかけながら、岩井先生の道徳の模擬授業が始まった。題材は、新井淑則先生 の生き様を描いた、「いっぱい生きる 全盲の中学教師」。当時、中学教師だった新井先生 が網膜剥離により全盲になり、再び教師として教壇に立つまでを追った。   文章中盤、新井先生が全盲になってから、苦しい日々を送ったことが書かれている箇所 を扱っているときだった。「視覚障がいがあっても教師ってできるのかな?どう思う?」と いう、岩井先生の問いかけがあった。数々の意見が出る中、「工夫すればできると思う。」 そういった声がいくつか挙がった。このとき、私はその「工夫すれば」という言葉の難しさ や、どこか冷酷さを感じた。本模擬授業で使用した教室。障害者スポーツセンターの一室で あるこの教室でさえ、ところどころ、目が見えないと危ないと感じる箇所があった。工夫す れば…。この「工夫」が、どれだけの教室で、学校で、社会で、なされているのだろう。 どれだけの人が、実際にそのようなことに目を向けられているのだろう。そう振り返らずに はいられなかった。同じ教材を使ったとしても、この日の、岩井先生による問いかけでなけ れば、私も何気なく、「工夫すれば」「頑張れば」できるなどと言ってしまっていたのだろ うか。もちろん、「工夫すれば」できる社会の実現を目指せばこそ、出てきた意見であり、 自分もそれを目指したいことに相違はない。ただ、このときは、自分の盲目さを痛感するば かりであった。自分は視力がありながら、日々何気なく利用する空間のことすら、何も 「見えて」はいなかったのだ。  ここまで感じ、考えることができたのは、岩井先生や新井先生本人をはじめとして、実際 に視覚障がいを持っている方々がその場に同席していたからというのは大きかったと思う。 そのような意味で、模擬授業で最も印象に残った場面がある。  それは、アイマスク着用による、板書体験のときである。体験者数人が、アイマスクを つけて自分の名前を書いていく。恐る恐る書いていくものの、字が小さかったり、ゆがんだり、 なかなか思ったように書けずにいた中、最後にお手本として、新井先生がチョークを手に取ら れた。新井淑則―誰よりも大きく、堂々と連なる四文字。盲導犬ハーネスを片手に、膝を使い ながら微妙に高さや位置を調節し、迷いなく書いていく後ろ姿。今まで読んできた文章より、 どの発言より、物語っているものがあった。それはまさしく、いっぱい生きた、先生の生き様 そのものだったのではないかと、模擬授業を振り返って思う。  こうした今回の模擬授業をきっかけに、一つ、深く考えさせられたことがある。それは、 今後自分が形にしたい、道徳教育である。道徳教育とは、異なる他者といかに共に生きるかを 考える学問であると、私は考える。では、どのようにそれを形にしていくのか。その一つの あり方として、教室など、学ぶ環境に、異なる他者を広く同席させる空間、時間をつくるのだ。 そこには、視覚障がいを持つ人もいれば、性的マイノリティの人や、特定の住居を持たない人 もいる。異なる年齢層や価値観、異なる母国語、出身地や見た目、背負う文化やアイデンティ ティ…。あらゆる人が、自分と違う他者とリアルに関わり合う。常識のもろさを知り、その 教育の機会を通して、自分と異なる他者といかに共に生きるかを考える。普通の板書では見え ないクラスメイトがいるかもしれない。特定の器具が必要になるかもしれない。日々使う当た り前だと思っていた言い回しや身振りに傷つく教師がいるかもしれない。見た目の違いに戸惑 うことがあるかもしれない。そのようなさまざまな状況に直面して、どのように考え、その考 えがどう変化していくのかを共に追う。これは、模擬授業後の感想で、江口先生がおっしゃっ ていた意見に感銘を受けて至った考えでもある。ここにその言葉をお借りしたい。「教師の 思惑通りに生徒の考えを改めさせることが大切なのではない。どう考えたのかを受け取り、 その考えが授業や学びを通してどう変化するのかを認識することが大切だ。」  もちろん、既存の学校教室でも、周りは異なる他者であることに変わりはない。また、 それは直接でなくても、書物などを介してでもいい。ただ、人は自分と異なる他者と遭遇し、 共に生きる場に立たされてて、初めて、新しい世界を知覚する。そうして、時に、その一人 ひとりの生き様から学びあっていくのだ。これは難しいことに間違いはないが、道徳教育の 場でこそ、それを形にしたい。いや、するべきである。非常に強くそう感じた。今後の人生 の指針にしたいと思う。  私は今回の模擬授業で、己の盲目さをひどく痛感した。そして、自分の運命に向き合った、 ある教師の生き様に圧倒された。己の未熟さが悔しかったが、ただ、今回それに気づくこと ができただけでも、まだまだ見えていない自分の世界が、少しでも広がったような気もした。 そして、教育に携わることを志すうえで、今後の人生に対しての貴重なヒントを得ることも できた。この機会で得たことをきっかけに、今後、自分や他者との世界を少しでも広げてく ことを心掛けていきたい。  最後に、今回の授業で、自然と場の全員を巻き込み、こうして生徒全員に、自分に、いろ いろなことをみんなで考えさせる機会を与えてくださった岩井先生、学生と日々関わって くださる宮城先生、また、数々の関係者の方々に、改めて感謝を申し上げて、感想文を締め ようと思う。

~道徳模擬授業を経ての感想~   さいたま市立小学校教諭 有本尚叶

この度は、全盲の新井淑則先生の生涯を題材とした道徳の模擬授業を行うということで、 一体どのような授業を行うのか、またどのような教材となっているのか関心をもったため 参加させていただきました。  教師として小学校で勤務し始めたのは今年度からです。そのため授業経験は非常に浅い ものではありますが、道徳の授業は他教科とは違った難しさがあると感じてきました。 それは「どこまで問いかけるか」です。問いを投げかければ、単元のねらい達成には近づ けるかもしれません。しかし、道徳は国語や算数とは違い、1つの答えを出すものではあ りません。そして人間性を養うものです。問いによる誘導を重ねればその場での一時的な 考えには辿り着けると思いますが、それがどこまで深い考えになっているのか、どこまで これからの生き方として根付くかはわかりません。また、問いがあまりにも少ないと児童 の鉛筆は止まり、思考も停止しているように思えます。何も考える必要のない国語の授業 に成り下がってしまうように思えるのです。 もう一つ大きな難しさがあります。それは「評価」です。他教科は観点毎に何点取ること ができたのかによってA~Cで評価をつけますが、道徳は記述式であり、また評価の材料 は目で見た児童の反応や発言、ワークシートの記述内容しかありません。正解がないため テストを行うこともできません。普段の様子を見て、前回の単元で考えたことが定着して いるのかどうかを判断することしかできないのです。 私自身は、道徳に評価は必要ないと考えています。正解がないからこそ、どんな意見も認 められる、これが道徳の良さであり面白さだと考えているからです。私のクラスでは単元 ごとにワークシートを用意し、そこに自分の意見を書きこんでもらっています。どんなこ とを考えたのかを可視化するためです。今回の模擬授業でも同様のやり方を行っていると 思いました。おそらく回収されたワークシートには様々なことが書かれていたと考えられ ます。似たような内容はあっても、全く同じ意見はなかったはずです。私のクラスの児童 たちも同様です。やはりワークシートに書かれた意見に同じものはありません。皆、自分 の言葉で自分の考えを一生懸命文字にしています。 もし、私のクラスで『いっぱい生きる 全盲の中学校教師』を取り扱ったら、皆はどんな ことを考えて、どんな人生を思い描くのか。それを想像するとわくわくします。 模擬授業の感想からはずれてしまいましたが、「道徳」そのものを深く考える非常に良い 機会となりました。この度は参加させていただき誠にありがとうございました。

模擬授業『いっぱい生きる全盲の中学校教師』を参観して  勝原 裕子

 2018年の定期総会は台風が来そうというので中止になり、今年の総会も台風が来 そうというので開催できるか心配したが、実施できて良かった。 岩井さんの授業も初めて参観するし、模擬授業に参加するのも初めてなので、とても楽し みだった。  退職して年月がたっているのに億劫がらずに模擬授業を引き受けたのには、頭が下が った。  岩井さんといつも話していてそんなに感じてなかったが、授業での声が印象的だった。 声が大きく朗々としていて発音が明瞭でとても聞きやすかった。若い人達の声がぼそぼそ して聞きにくいのと対照的だった。   授業が始まり・携帯電話を机の上に置きなさいと言われたり、発表しなさいと言われ たりして、本物の生徒の様にどきどきした。  教材を教員や元教員が音読するより、男女の学生さんに音読してもらったのは、良い 試みだった。  いっぱい生きるとはどういう事と言う質問に対して、  ○せいいっぱい生きる  ○一瞬一瞬を大切に  ○たくさん何かする と言った意見が出るなか、会場にいた子どもがおかし食べたい気分と質問と合わない事 をった時も否定せず、生きてないとおかしも食べられないねと岩井さんが言った事に 好感が持てた。  目が見えない人が授業をするにはどうすれば良いかという質問には、  ○やる気があれば  ○工夫すれば  ○点字が読める様になれば  ○生徒に手伝ってもらえば という考えが出た。  実際にどんな風に授業をするのか感じてもらうために、アイマスクとマグネットを 使って学生さん2人に黒板に文字を書いてもらった。教材にはマグネットを使って黒板 に文字を書く写真がのっていたが、実際にマグネットを使って文字を書くのを見てない ので、あまりうまく文字が書けなかった。教材を執筆した山中さん、本人の新井さんは、 マグネットを使ってきちんと文字が書けた。学生さんには、マグネットの使い方を教え てあげても良かったのではないだろうか。  岩井さんの授業のめあてにした  ○生き方を生徒に考えさせる  ○視覚障害を理解させる は達成できたと思う。  教師の考えを生徒に押し付けるのではなく、生徒達に新井さんの生き方をみつめさせ、 自分の生き方を考えさせたのは意義深い。

雇用率水増し問題で話し合い実施

雇用率水増し問題で話し合い 9名参加(7月28日) 3名の担当者からの報告として 埼玉県雇用検証委員会報告、雇用推進委員会報告、それ に対する感想と障害者雇用促進法の歴史的な流れからの分析で45分間、その後1時間の 話し合いが行われた。  雇用検証委員会報告については森谷さんから報告された。委員は学者と弁護士の3名で ある。全担当組織にヒアリングを行って、問題点を明白にする取り組みが行われていた。 障害者の調査の過程で、手帳を確認せず集計したり、調査したものをそのまま集計計上 したり、ガイドラインに沿っていないことがあってもそのままに集計していた。 疑問や問題を指摘する声があっても組織として取り上げなかったなど問題点が出されて いた。総務課、小中学校人事課、県立学校人事課の組織ごとに取り組まれており、全体を 集約する組織がなく、そのことが問題点として報告されていた。  雇用推進委員会報告については飯島さんから説明があった。当事者代表1名を含めて 12名で構成されている。2020年度までに雇用率2.4%達成するために、チャレンジ雇用は 非常勤職員に障害者を雇用し教職員の事務補助や清掃作業を行い一定の人数を集める。 一方チームピカピカで特別支援学校の卒業生の就職先を確保するという方向性が出され ていた。教師の特別選考は例年約3名ほどの採用があるという。障害を持つ教員の事例 としていくつか支援の事例が紹介されていた。 中村さんの感想では、埼玉県は第3者委員会として雇用検証委員会と、雇用推進委員会 を2018年10月ごろ立ち上げて、数回会議を持ち、2019年2月14日に答申案を出 した。全国的に見れば、前向きに取り組んでいると評価できる。しかしながら、雇用 検証委員会報告では、問題点の本質までとらえられていない。組織的な問題が大きいと されており、総務課、小中学校人事課、県立学校人事課の3つの組織があり、その連携 が不十分であり、ガイドラインに反した取り組みが行われていても、放置されその修正 ができていなかった。これは全体をまとめる担当部署が無いことに問題があると総括し ている。そのような組織的関係性に原因があるとしている。それをそれらの根底に潜在 する障害者雇用についての理念やとらえ方、差別禁止の考え方、それらを実現していこ うとする認識が曖昧不鮮明デアッタことが総括されていない。  雇用推進委員会の報告では、教育現場ではチームピカピカとかチャレンジ雇用など、 障害者を雇用して教育現場の事務作業の補助や清掃業務などを担当させることを重視し た取り組み内容になっている。これは雇用率を達成することこそが第一の課題であると いう姿勢であり、雇用率至上主義になっていると言わざるを得ない。  障害者雇用の歴史を振り返って見れば、雇用割当制度の適用が中心で、1960年に 障害者雇用促進法が制定されて以来、雇用率の達成を目指す活動を行うという流れで あった。しかし、2006年に障碍者権利条約が批准され、その後差別解消法が施行 され、障害者に対する合理的配慮が求められるようになった。差別禁止の流れが強く 提起されてきている。  公務員や民間企業でも,障害者が働きやすい条件を整える中で、視覚障害者では見え ない部分を補助するソフトを駆使してパソコンでの事務作業を担当したり、聴覚障害 者では手話を使用したり,下肢障害では車いすを使用によりパソコン担当やいろいろ の事務作業を担当して勤務を継続する人たちが増加している状況がある。 教育現場ではその大多数を占めているのは教職員である。その教職員のなかで、病気 や事故で障害者になった教職員を退職に追い込むことなく、その人の経験や持てる 能力を発揮させ障害者教員の数を増やすことが、取り組むべき重要課題である。 新採用者の採用を、広げることは言うまでもなく、中途障害者の教職員も勤務継続の 意思が保証されなければならない。障害(慢性病)などでできない部分をカバーして いわゆる合理的配慮を実施して勤務継続ができる体制を構築して行く必要がある。 推進委員会の報告ではそのことが欠落している  教育ネットとしては、このような問題点を放置しないで、その本筋を正しく取り 組ませるような提言を行い、幅広く働き掛けていくことが大事な課題である。 教育ネットが今まで活動してきた基本的な精神にかかわる重大問題であり,本会と して腰を据えてしっかりと取り組む必要がある。  江口さんからは、職場の問題を含めて、管理職や教育委員会が、障害者が働き やすい環境整備の中で仕事ができているか、追跡監視する体制を維持してほしいと 要望が出された

6月の体験から、主に知的障害について

                       飯島光治  2019年6月に、地区の民生委員の研修旅行で、群馬県のあかぎ育成園 (知的障害者更生施設)を見学。利用者定員は、223名。説明を受け、実際に 会うことができる。会ってみて一人一人違う。親しく寄ってくる人。じっとこちら を見る人、この人が障害者 という人。参加者からは、約50名の職員の人が、えらい。 こういう仕事はできないの声がありました。後日民生委員の定例会で、子供が知的 障害だが、こういうところに入れたらとありました。  一般に健常者と障害者という言い方がありますが、健常者でも中途からまた交通 事故等にあい、身体障害者になる場合があります。この場合は分けられないのでは。  ところで、人間にとって恐ろしいのは、差別と偏見です。  たとえば、ハンセン病の患者と家族に対して、差別と偏見により、心が傷つけら れます。さらに結婚に際して。私は「ハンセン病療養所 冬敏之小説集(2002 年版)を読みましたが、特に印象に残ったのは、著者が群馬県の療養所から、社会 復帰したとき、就職試験の面接における緊張です。差別と偏見をなくすには、その 対象に対して学び続けていくことが必要と思います。たとえばヘイトスピーチに対 しては被害者である在日コリアンの歴史を学ぶ。ヘイト(憎悪)をする人は、自分 の偏見にきずいてほしい。  追記として知的障害に関する最近の毎日新聞の記事(2019年8月まで)を ご紹介します。 (1)知的障害の長男(22歳)、父(45歳)が監禁。とあり妻(41歳)も中度 の知的障害があり、長女(23歳)も中度の知的障害。長男は重度。他に2歳から 5歳の幼子4人がいる。父は生活が限界と。声届かぬ行政とあります。 (2019年7月9日付) (2)埼玉県の特別支援学校、生徒急増。  特別支援学校に通う児童、生徒の7割を占める知的障害の児童、生徒数がここ 10年間で増加。2008年度は、3597人、2018年度は5896人と1.6倍に。 施設不足が深刻化(2019年、7月31日付)    (3)勾留1年半、寝たきりに。  30代知的障害女性。小学校4年の時、中程度と診断。30代のときに、2階の自室に 火をつける。裁判では(それまで勾留)本人が放火の危険がわかっていたかが問われる。  母が生活が苦しく、朝から晩まで働いたため、母の関心を引きたかったのだと思うと 母は言う。(2019年、8月12日付)  (1)(3)では毎日の生活の大変さが伝わってきます。              (3)では記事を読んで、親の娘さんへの思いが伝わってきます。                         (2019年8月記)

今年も新井淑則先生の授業公開! 皆野中学校

~11月22日(金)  秩父鉄道皆野駅改札口 12時50分集合~  今年も昨年に引き続き、本会代表の新井淑則先生の公開授業が決まりました。教 育ネットが公開授業を見学するのは、通算12回目になります。毎年1回の公開です から、2008年(長瀞中学校へ赴任した年)から12年間続けてきたことになります。 新井先生が担当・担任する学年は年度ごとに異なり、さらに教科書の改訂もあり、 これまで公開されてきた授業は全て異なった単元・教材の授業でした。その中には 国語の授業ではなく、道徳や学級会もありました。それにしても、その多様で意欲的 な取り組みは驚きです。  本年は、どのような授業になるのか、楽しみです。単元・教材や公開クラスは未定 ですが、1年生の国語の授業を公開する予定です。授業の後に、新井先生そして一緒 に授業をしている皆野中学校の先生方と話し合う時間も設けてあります。  視覚障害がある教師がどのように授業をするのか実際の授業を参観したい方、 教育・障害に関心のある方、会員・非会員を問わずどなたでもご参加いただけます。 みなさん、奮って授業公開にご参加ください。 会場  皆野町立皆野中学校(電話0494ー62ー0432) 日時  11月22日(金)    授 業 (5校時)  13時40分~14時30分   話し合い(6校時)  14時40分~15時30分 宿泊 22日夜、皆野近辺の宿で懇親会を兼ねて宿泊します。(希望者のみ)    料金は1泊2食で1万円前後を予定【翌23日に観光イベントを計画中】 授業公開に参加される方・詳しい内容を知りたい方は下記連絡先までお問い合わせ ください。宿泊を希望される方は、11月10日までにお電話ください。 お問い合わせ先 090―2441―0938(岩井)  〈参考〉―電車(秩父鉄道)時刻   御花畑駅から(380円)  12時34分発→12時50分皆野着   寄居駅から(540円)  12時15分発→12時43分皆野着   熊谷駅から(800円)  11時43分発→12時43分皆野着 【自家用車利用の方は13時20分までに皆野中学校会議室にお越しください。】